野々島

野々島

野々島は、浦戸諸島のほぼ中央に位置し、塩竈市役所の支所で宿泊研修施設でもある浦戸諸島開発総合センター(愛称:ブルーセンター)が置かれ、浦戸診療所も併設されており、生活面でも中心的な島です。

島の高台には、諸島内唯一の小学校と中学校(併設)もあります。

野々島は、熊野神社のキリシタン仏、謎の洞穴群、内海長者の伝説など多くのミステリーや、椿のトンネルや陰田島など神秘的な景観が魅力です。

また、島内では野々島フラワーアイランド構想としてボランティアによる、ラベンダーなどのハーブを中心とした植栽活動が盛んに行われています。

野々島の見どころ

柏木島(ウミネコ繁殖地)

野々島漁港の前に岩肌が滑らかな小さな無人島があります。

ここでは春にウミネコが集団繁殖(コロニー)を形成します。
岩の上に木の枝や枯草などで巣を作り、雌雄交代で抱卵し、生れた雛は約40日で巣立っていきます。

この頃はとても賑やかになります。
秋には岩に植生する日本特産の海岸植物のハマギクが開花します。

洞穴群(通称:ボラ)

野々島を歩くといたる所に洞穴を見かけます。
地元ではこの穴のことを「ボラ」と呼んでいます。

過去に防空壕や倉庫などに使用されたという話があり、そのまた昔に密貿易を行い巨万の富を洞穴に蓄えたという内海長者の伝説もありますが、実際のところ、いつ頃作られたのか?当初の目的は何だったのかは謎となっています。

現在、多くの穴は民家の倉庫や漁具の資材置き場として利用されています。
観音堂もそのひとつで、多数の洞穴が残っています。

この他、柏木島や桂島の石浜などにもこのような洞穴が残っています。

野々島海水浴場・千代崎展望台

野々島桟橋から歩いて5分程で、野々島海水浴場(柳浜)にたどり着きます。波静かで遠浅な海水浴場です。

眺めが良く千代崎と陰田島が望めます。毎年7月中旬から8月中旬まで営業。トイレはありますが、シャワー・更衣室・売店はありません。(野々島桟橋から最短で徒歩6分)

現在、震災の影響により営業を休止しております

海水浴場からさらに防波堤沿に進むと山道のハイキングコースとなり、松の緑と岩肌が美しい千代崎展望台に着きます。展望台からは岬の先にそびえる陰田島を間近に見ることができます。また、この裏側の石浜水道側には大蛸伝説がある木田の浜があります。

陰田島

野々島の千代崎の先、石浜水道から外洋に出る位置に陰田(かげた)島があります。

海面から突き出たような直立した姿は一際目立ち、別名「おいらん島」とも呼ばれ名勝となっています。

その尖った島の頂にはミサゴなどの猛禽類の巣があり、それにまつわる昔話もあります。

陰田島は市営汽船で海から見ることができますが、野々島からもまた趣の違う美しい姿を見ることができます。

熊野神社

ブルーセンターの裏山を登ると、赤い鳥居の熊野神社があります。

大巳貴命(おおなむち)が祀られ、この御神像の奥には厨子入りキリシタン仏があり、隠れキリシタンが拝んだものと言われています。

椿のトンネル

熊野神社から東に山道のコースを進むと自生するヤブツバキに覆われ、トンネル状の椿の道になります。

ここが菜の花と並んで春の浦戸の名物「椿のトンネル」です。

花に囲まれた道も美しいですが、花が一面に落ちた道もまた風情があります。
道端には野仏などもあり、歴史を感じさせます。

夜泣き地蔵

椿のトンネルを抜け道路に出ると、正面に墓地の入口があり、そこに夜泣き地蔵と並んで六地蔵があります。

夜泣き地蔵は、子供の夜泣がなおると言い伝えられ、各家々ではこのお地蔵様にお願いしたそうです。

また、北向きに設置されていたことから、北向き地蔵とも呼ばれているそうです。

ラベンダー畑・ハーブ園

野々島集落から学校・寒風沢方面へ行く道沿いに菜の花畑や、ボートを利用した花壇などがあちこちに見られます。

夜泣き地蔵を過ぎて小高い丘の上にはハーブ園があり、色とりどりのハーブが植えられています。

その向かいの北側の小道を下っていくと、ラベンダー畑が広がっています。夏には一面にうす紫のラベンダーの花と香りを楽しむことができ、夏の浦戸の名物となっています。

これらの花々は野々島の遊休農地を利用して花で活性化しようと、ボランティアや学校の子どもたちの手によって植えられたものです。また、ハーブ園付近は隠れた桜の名所となっています。

宇内浜

ハーブ園から南側に小道を下ると、美しい眺めの浜が見えてきます。

宇内浜(うねはま)と呼ばれる浜です。

浜の正面には焼島、遠くに陰田島が見えます。

野々島にまつわる昔話・文化財

野々島のことをもっと知りたい方は、下記ボタンより昔話や文化財の紹介を確認することができます。